猫間川寄席ライブ

飛行機やロケットで雲の上に行けるようになった昨今、このようなネタが存在していること自体、ナンセンスであり、驚異的なことかも知れません。しかし、科学の範疇を超えたロマンも、大切にした方がいいように思います。

上方落語の「東の旅」、お伊勢参りのネタの一つで、十返舎一九の「東海道中膝栗毛」にも、よく似た場面が出てきます。十返舎一九は、当時の噺家と親交があっただけに、アイデアの交換をしていた

昨今、笊という字の読み方がわからない人が多くなりました。「ざる」と読みますが、大阪では「いかき」とも読みます。 『米揚げ笊』は東京落語にも移植され、『ざる屋』という演題で

東京落語で仕上がった名作で、『妾馬』という題でも演じられています。笑いの内に、兄妹の情愛がタップリ含まれていますから、泣き笑いの一席。名人・六代目三遊亭圓生の十八番ネタでした。

東京落語の『なめる』に似ていますが、江戸時代に流行った開帳や、船幽霊の逸話を採り入れ、かなりドラマチックに仕上がっています。

リレー形式で語る、お伊勢参りの上方落語を『東の旅』と呼びます。喜六清八という大阪の仲良しが奈良に出た後、一つの村に差し掛かった所のネタで、見て楽しむ落語の代表とも言えましょう

桂團治という古老が演じたのを一度だけ聞いたという桂米朝師の記憶を頼りに、桂文我が復活させました。何とも不思議な展開ですが、緊張と緩和が交互に加わるような筋立てには、作者の智慧を感じます。

この落語に登場する兄弟が、隣りの家に住んでいたら、面白くも思いますが、難儀もするでしょう。

昔の寄席や落語会では、「水の呑み分け」「飯の食い分け」と共に語られることが多かったと思われます。上演時間の長いネタの後で、観客に一息ついてもらうには、最適のネタだったのでは

十代目金原亭馬生が『二人書生』という題で上演し、個人全集に収録しました。

皮肉な内容の落語ですが、このネタのファンは意外に多く、年末年始の風情も満載。

令和の今日、この落語で行うような遊びは、犯罪行為となるでしょう。それだけに、ネタの世界で楽しんでいただくのが一番。東京落語の「突き落とし」「付き馬」が、この落語に似ており

能や歌舞伎で有名な『船弁慶』をパロディにした、上方落語屈指の夏の爆笑ネタです。季節感・夫婦喧嘩・船遊びと、楽しみ所が満載。この落語に接する頃になると、「いよいよ、夏本番！」という気になります。

お伊勢参りの落語で、短編の珍品でありながら、不気味な雰囲気を漂わせています。雨の墓場が登場するネタも少ないだけに、貴重な落語と言えましょう。

東西の落語を通して、義太夫ネタの代表になっています。義太夫好きの困った旦那が主人公になり、その無茶ぶりが難儀でもあり、可愛くもあり。しかし、このような人は付き合いたくないですね。

大阪から堺の方へ続く、住吉街道のドタバタ騒動の一席。駕籠屋という仕事は、明治初年頃までは流行っていましたが、人力車の登場と共に姿を消して行きました。

昔から「浄瑠璃は芸の司」と言われていますが、大阪で浄瑠璃と言えば、義太夫節を指します。

世の中、全く予想のつかない展開が起こることも多々ありますが、悪いことばかりではなく、良い方へ転がる場合も多いだけに捨てたものではありません。『佐野山』という落語は、将に象徴的な展開と言えるのではないでしょうか。

上方落語の珍品の一つで、長年、上演されることはありませんでした。

喜六清八という大阪の若い者が、お伊勢参りをする途中、奈良で泊まり、明くる朝、ブラブラと野辺を歩く様子を表現するだけのネタですが、ノンビリした雰囲気の中に、知的な遣り取りが含まれているので