wisの室生犀星-①「或る少女の死まで」 Titelbild

wisの室生犀星-①「或る少女の死まで」

Reinhören
0,00 € - kostenlos hören
Aktiviere das kostenlose Probeabo mit der Option, monatlich flexibel zu pausieren oder zu kündigen.
Nach dem Probemonat bekommst du eine vielfältige Auswahl an Hörbüchern, Kinderhörspielen und Original Podcasts für 9,95 € pro Monat.
Wähle monatlich einen Titel aus dem Gesamtkatalog und behalte ihn.

wisの室生犀星-①「或る少女の死まで」

Von: 室生犀星
Gesprochen von: wis(ないとうさちこ)
0,00 € - kostenlos hören

9,95 € pro Monat nach 30 Tagen. Monatlich kündbar.

Für 21,95 € kaufen

Für 21,95 € kaufen

Über diesen Titel

室生犀星は、「ふるさとは遠きにありて思ふもの」の詩で著名だが、生まれ育ちが複雑で、私生児として生まれ、間もなく近くの寺に引き取られて育てられた。1902年に高等小学校を3年で中退して、金沢地方裁判所に給仕として就職し、上司の俳人たちに手ほどきを受けて文学に親しむようになった。1909年に裁判所を退職し、翌1910年に上京して、根津、千駄木、谷中に住んだ。
 作家として認められたのが、1919年に発表した自伝的作品三部作「幼年時代」「性に目覚める頃」とこの「或る少女の死まで」によってであるが、それは、この1909年の千駄木、谷中時代の出来事を描いている。
 千駄木の小さい酒場に通っていたが、そこに痩せた12,3歳の少女がいた。母親は彼女を産み落とすとすぐ行方不明となったのだが、酒場の女将に引き取られいつも叱られていたが、可憐な微笑、泣き笑いする目の自然さ、ぼおっとした中にある清純さにいつも惹き付けられていた。
 他方、自分はその酒場での喧嘩騒ぎに巻き込まれ、警察署での聴取、相手との示談などで、心は重く沈んでしまった。が、少女と話すと純な感情になれた。谷中の高台にある離れに越したところ、母親と10歳ほどの女の子の家族も住んでいた。女の子は品のある顔立ちで可愛らしかった。そのふじ子との日常的な交流は、金沢に一度戻るまでの数か月間続いた。動物園にも一緒に行った。いつもボンタンという愛称で可愛がった。
 しかし、バーの少女は病に侵され、ふじ子もまた・・・。犀星の喪失感と哀悼の気持ちがにじみ出ている。
©2025 響林社 (P)2025 響林社
Noch keine Rezensionen vorhanden